確定診断を受けるまで

①発症した頃の様子

②疑いから確定診断まで

③発症後の過ごし方

① 発症した頃の様子

娘は14ヶ月。保育園に行き始めてから歩けるようになりました。よちよち歩きで一生懸命歩く姿はとても可愛いかったです。

しかしどれだけ経ってもよちよち歩きのまま、MAX10m程度で走るなんて論外。いつもよろけたり転けそうになっていました。

スプーンを持ってご飯を食べることはできましたし、保育園で製作物を作ったりしても、何か発達を指摘されるようなことはありませんでした。しかし110ヶ月頃、たまたま内科健診で娘の歩く姿を見た園医より「歩き方が変だから、病院に行った方が良い」と指摘されました。その頃も変わらずよちよち歩きのまま、腰が曲がってへっぴり腰で歩いているような状態でした。


整形外科のクリニックに行きましたが、レントゲンを撮っても異常なし。念の為にと、他県の小児医療センターへ紹介状が出ました。初診で診てくれた先生からは

「骨にも異常はないし歩き方が下手な子はたくさんいる。2歳になるまでもう少し様子見みてもいいかも」

と言われ、1ヶ月後、整形外科の中でも特に足の神経専門の医者の予約を入れてくれました。

 

その頃世間は新型コロナウィルスで騒がしかった頃です。受診までの間気をつけてはいましたが、例に漏れず私たち家族もコロナに感染してしまいました。娘は高熱が出たものの幸いすぐ回復しましたが、歩けなくなってしまったのです。

最初はコロナの後遺症かと思っていました。次の診察時に相談しましたが、

「脳性麻痺だったのかもね。リハビリが必要になると思うから、地元の県立病院の方へ紹介状出すから、そちらへ受診してください」

と、あまりよくわからないような状態。最初のクリニックで撮影したレントゲン以外検査は何もなし。娘は歩けないまま一向に良くなる気配もなく、私たち家族は不安を抱えていました。

 

地元の県立子どもセンターは神経内科へ受信しました。リハビリのオーダーを出すためにMRIを撮ることになり、MRIの予約でまた数週間待つことに。運の悪いことに、その間に娘は保育園で流行っていたヒトメタニューモウイルスに感染してしまいました。すると、今まで歩けないまでもハイハイで移動できていたのが、今度はハイハイすらできなくなってしまいました。椅子に座らせても支えがないと倒れてしまう状態です。MRIを撮影して、本来であればさらに2週間後に再診の所を、さすがに今の状態はおかしいと思い、先生に無理を言って翌日に診察していただくことに。

② 疑いから確定診断まで

翌日診察室へ入った私たち家族に告げられた病名が

MLD(異染性白質ジストロフィー)の疑い」

でした。

先生からは

「ネットの情報を見ない方がいい」

とは言われたものの、病名の説明もほとんどなくあまりピンときていなかった私たち夫婦は、先生の忠告を無視してすぐに検索してしまいました。結果、あんなに絶望したのは人生で初めてです。

 

その後先天性代謝異常の専門医師がいる大学病院へ紹介状が出て、2週間後には検査のため入院しました。

12日の入院中に頭部のCTMRI、血液検査、腹部エコー、神経伝達速度、脳波測定と休む暇もなく検査をしました。

血液検査は少し時間がかかるとの話だったため、結果が出るまでは気が気ではなかったです。

(診断は間違いなんじゃないか)

(もし確定診断が出たらどうしよう)

(治療法は…)

など毎日ネットを検索しては論文を読み漁ったりしていました。

検査の結果、人よりアリルスルファターゼの量が多いということがわかり、その後遺伝子検査を追加で受けるために追加の採血を行いました。私たち夫婦の分も同時に検査することに。さらに2週間後、遺伝子検査で確定診断となりました。

最初の保育園の園医の指摘から4ヶ月、やっと確定診断がおりました。

 

余談ですが、入院中の採血検査は遺伝子検査のためだと思っていたので、退院後に追加でこれから遺伝子検査を行いますと言われた時は不思議に思いました。

主治医に聞いたら、遺伝子全てを調べるには膨大な時間と労力がかかるため、ある程度病気(遺伝子)に予測をつけてから、的を絞って検査するのだそうです。そうでないと、疑いが外れた時にまた一から検査し直す事になってしまい、さらに時間がかかるそうです。

 

娘はたまたま感染症にかかると同時に症状の進行が見られましたが、関係性があるかは不明だそうです。

③発症後の過ごし方

確定診断に至るまでの4ヶ月で、娘はよちよち歩きから寝たきりに。あっという間の進行でした。22ヶ月頃に初めててんかんを発症し、それからは抗てんかん薬を定期服用しているため、日中はうとうとしている状態です。

 

言葉も出ず、口からご飯を食べる事も下手くそに。ほっぺの内側を噛む事が増えて口内炎が多発、痛みからか食事量が激減し体重は13キロから9キロに減ってしまいました。涎の誤嚥もあり突発的な発熱も見られるようになったため、26ヶ月で胃ろうを作りました。夏前には造設できたので、脱水の不安がなくなったのは助かりました。

 

その後大きなてんかん発作を2.3回ほど経験し、その度に挿管したりしましたが、先生方にお世話になりなんとか回復しています。今は大きな発作もなく過ごせています。

 

現在は週に3日療育へ行っています。ほとんど寝て過ごしているようですが、リハビリや音楽療法など色々行ってくれて良い刺激を受けているようです。おかげで生活のリズムも整えられてきています。

風邪を引くとゼロゼロが酷くなってしまい熱性けいれんを頻発してしまうため、そうなると入院になってしまいます。下の子もいるため、保育園で拾ってきた菌を貰わないよう、気をつけて生活するようにしています。

確定診断を受けた頃と比べると現状に慣れてきて病状を受け入れる事もでき、たまに入院することもありますが、穏やかな生活を送れていると思います。